立春と春分の違いとは?
日本は四季折々の景色を楽しめる国として知られており、そんな四季を表す言葉も多くあります。
その代表的な言葉が春分や夏至、秋分、冬至、さらに立春、立夏、立秋、立冬です。
これら8つを八節と言いますが、この中でも「立春」と「春分」はどちらも春の訪れを指しているように感じることから混同されがちです。
一体、何が違うのでしょう。
立春とは?
まず、立春とはどんな日を指すのでしょうか?
立春や春分をご紹介するにあたり、八節について簡単にご紹介します。
実はこの八節、季節を表すことから元々日本で生まれた言葉のように感じるかもしれませんが、実は中国由来の言葉です。
元々は二十四節気という、1年間を太陽の動きに合わせて24つの時期に合わせた時期のうちの八つを八節といっているのです。
そして漢字からわかるように立春と春分は春、立夏と夏至は夏、立秋と秋分は秋、立冬と冬至は冬の時期を表す言葉です。
では立春とはどんな時期を表すのでしょう。
立春は一年の始り、春の始まりを指します。
実は二十四節気の始まりが立春なのです。
具体的に立春がいつなのかというと、2022年は節分の翌日である2月4日です。
一年の始まりというとお正月をイメージしますが、二十四節気は太陽の動きに合わせた時期なので、カレンダーの一年とはまた違うのです。
でも、立春とは春の始まりを指すというのに、2月が時期というのは意外ではありませんか?
それこそ3月に迎える春分の方が春の始まりのような気がします。
では、なぜ春分ではなく、立春が春の始まりなのかというと、実はこの時期は一年のうちでも寒さが一番強く、ピークを迎える頃です。
つまり、立春を過ぎた頃から寒さが和らいでくるので、だんだん暖かくなる春の始まりと捉えているのです。
とはいっても、やはりまだまだ寒いので体感的には春と捉えるのは難しいですね。
でもこの時期さえ過ぎてしまえば、あとは暖かくなるだけと思うと寒い日も多少は過ごしやすくなるかもしれません。
では春分とはどのような時期を指すのでしょうか?
春分とは?
次に春分についてご紹介します。
春分も前述した通り、立春同様に八節の一つであるとともに、二十四節気の一つです。
では具体的にいつ頃なのかというと、二十四節気の始まりが立春ですが、立春から数えて4番目に当たる時期が春分です。
イメージ的には毎年、3月の中頃以降というのはわかっています。
だから、春の始まりが春分だと思いがちなのです。
しかし、それもあながち間違いではありません。
実は春分の日は毎年、前年に国立天文台が太陽の軌道によって決定するのですが、夜の時間と昼の時間が同じくらいになる日を選んでいます。
それまでは夜の時間が長いため、冬といった感じですが、春分の日を境に徐々に昼の時間が長くなるので本格的な春が来たという感じになるのです。
ちなみに2022年の春分の日は3月21日です。
そして春分の日は立春とは異なり、国民の祝日とされているため、学校や会社は休みになります。
その目的は「自然を讃え、生物を慈しむ日」とされています。
まあ、暖かくなりつつあることから緑が芽吹き、生き物も動き始める時期ですから、そのように定められたようです。
このように立春は暦状では春の始まり、そして春分は昼間の時間が夜と同じになってくるのでいよいよ春が来たという感じがします。
どちらも春の始まりを予感させる日だからこそ、混同してしまいがちなのかもしれませんね。
ちなみに立春とは異なり、国民の祝日として定められています。
立春や春分には何をするの?
では、立春と春分の違いがわかったところで、それぞれの日には何をするのでしょうか。
まず、立春ですが、何かすると決まっているわけではありません。
むしろ、前日が節分というだけあって豆まきをしたり、恵方巻きを食べたりと色々なことをするので、その分、立春は落ち着いて過ごすのもいいのではないでしょうか。
そして春分は、「春のお彼岸」とも言われ、先祖を敬う日でもあります。
お彼岸というと秋分の日をイメージする人も多いかもしれませんが、実はお彼岸は春と秋にあり、春のお彼岸が春分の日なのです。
冬の寒さが和らぎ、暖かくなり始める日でもあるのでお墓参りをする日としてもちょうどいいでしょう。
また、お彼岸なので御供物としてぼたもちを用意するのが一般的です。
その他にも、春分の時期は3月ということもあり、様々な春の味覚も楽しめるようになります。
そのため、春らしい食材を使った料理で季節感を味わうのもいいでしょう。
ちなみに毎年、ニュースでは「春一番」が春の訪れを運んでくる強い風として話題になりますが、この春一番というのは立春から春分の間に吹く強風のことです。
今まで吹いていた肌寒い風とは違い、前日より気温もぐんと上がり、生ぬるく、まさに春を感じるような風です。
ただ、あまりの強風のため、昔は海がしけってしまい、漁師が亡くなったこともあるようです。
今でもその強風で看板が倒れたり、飛んでいってしまうこともあるので、春の訪れは嬉しいですが、立春から春分の時期には注意が必要なようですね。
また、春一番が吹いた翌日は北向きの風が吹くこともあり、より寒さを感じることもあるので、春一番が吹いたからといって薄手の服装にすると風邪をひいてしまう可能性もあります。
ただ、毎年吹くと決まっているわけではなく、その年によっては観測されないこともあるので、天気予報を毎日チェックしているとわかるでしょう。
立春と春分の違いとは?まとめ
立春と春分は春の始まりを告げる時期です。
どちらも中国から伝わった二十四節気の一つで、立春は一年のうちで寒さがピークになる時期、春分は昼間の長さが夜と同じになり、徐々に暖かくなり始める時期です。
混同されがちですが、実は異なる時期なので、大人の常識として頭の隅に入れておくといいでしょう。