えびす講の祀り方は?大黒様も飾ってご利益アップ?
恵比寿様といえば商売繁盛の神様として知られる七福神の1人で、そんな恵比寿様を祀る行事「えびす講」は全国的に行われています。
地域によって行う時期や祀り方が違うのですが、具体的にはどのようなことをする行事なのでしょう?
えびす講とは?いつするの?
まず、えびす講についてご紹介します。
えびす講とは恵比寿様に感謝する行事です。
恵比寿様は元々は豊漁の神様で、五穀豊穣や商売繁盛にもご利益をくれる神様なのですが、実は恵比寿様が他の神々に代わって土地を守ってくださる時期があります。
それが「神無月」です。
神無月とは漢字の通り、土地の神様がいなくなる月のことです。
旧暦の10月なのですが、この時期になると神様たちは出雲の会合に出かけてしまいます。
全国から神々が一斉にいなくなってしまうので、それでは大変なことになるということで、1人残って留守番をしてくれるのが恵比寿様なのです。
そんな残ってくれた恵比寿様に感謝の気持ちを表そうと始まったのが「えびす講」です。
では、えびす講はいつ頃、行われるのかというと地域によって異なります。
関西では1月、関東では10月から11月に行われることが多く、祀り方も地域によって異なります。
有名なのが兵庫県来宮神社で行われるえびす講です。
1月の「福男えらび」として、全国的に知られていますが、実はこの「福男選び」がえびす講なのです。
さらに東京の宝田神社では秋に「べったら市」が立ちますが、これは「えびす講」の準備の一つです。
このべったら市で有名になったのが大根の漬物の「べったら漬」です。
このようにえびす講と一言にいっても地域によって、祀り方はかなり異なります。
ではご家庭での祀り方とはどうすればいいのでしょうか?
来宮神社や宝田神社のようにイベントごとに参加できる祀り方もあれば、静かに家でする祀り方もあります。
えびす講にはどんなものを用意する?
まず、えびす講の祀り方としては神様を迎える場所を綺麗にします。
ご自宅に神棚があるなら、恵比寿様が来られるように綺麗にお掃除をしておくといいでしょう。
ただ、ご自宅に神棚がなかったり、神棚には違う神様を祀っている場合もありますよね。
そんな時は神棚の近くや、大人の目線の高いところに場所を用意するといいでしょう。
元々、神棚って高い場所に設置しますよね。
それは神様がいらっしゃるところだからです。
低い場所に設置すると、神様を見下ろしてしまう形になってしまいます。
そうならないように高い場所に設置するのです。
玄関や床の間などでもいいのですが、向きとしては運気が上がるといわれる東向きや南向きに設置するといいでしょう。
えびす講の時に簡単な棚を設置するのもいいですが、本棚や箪笥などがあれば、その上を綺麗にして利用するのもアリです。
では、場所が決まったところで何を用意すればいいのでしょうか?
神社にお参りに行ったのなら、いただいてきたお札や市で購入した熊手や福笹を使った祀り方をします。
熊手は「幸運をかき集める」縁起物として知られており、商売をしている人なら縁起担ぎとしてよく飾られます。
一般的に事業が拡大すると共に熊手のサイズも大きくしていくため、市では色々なサイズの熊手が用意されています。
そして福笹というのは恵比寿様が持っている釣り竿をイメージした笹飾りです。
なぜ笹を使っているかというと、笹は風や雪に負けずに真っ直ぐに伸びていくという特徴があります。
そこから、「商売、何が起きても順調にいく」という意味合いを担ぎ、えびす講で飾るようになったのです。
では、えびす講ではどんな祀り方をするのかというと、神棚、もしくは目線より高い位置にえびす講のお参りでいただいたお札と熊手、福笹を飾ります。
地域によって熊手だけ、もしくは福笹だけを飾るというところもあり、祀り方は地域によって異なるので、わからない場合はご家族やご近所の方に聞いてみるといいでしょう。
えびす講の祀り方は?
では、えびす講は神棚の他に、何か祀り方はあるのでしょうか?
えびす講では熊手や福笹の他にも縁起物としていくつか食べ物を用意します。
有名なのは尾頭付の鯛です。
恵比寿様も片手に鯛を持っていらっしゃいますよね。
というのも元々、恵比寿様は豊漁の神だったからです。
そこで尾頭付の鯛を飾るのですが、尾頭付というのにも実は理由があります。
恵比寿様は豊漁と共に豊穣の神でもあります。
自然から受けた恩恵をそのまま表すために尾頭付の自然のままの姿でお供えするのです。
ちなみに野菜や果物をお供えするときも同様に、葉付きのままでお供えします。
ただ、地域によっては調理済みのものをお供えする祀り方もあるようです。
また、えびす講が行われる10月から11月というと、新米の時期でもあります。
そのため美味しい新米や旬の野菜・果物をお供えするのが、えびす講の祀り方として一般的とされています。
そして地域によって旬のものが異なるため、供える魚や野菜が異なるようです。
また、えびす講の祀り方では、恵比寿様だけでなく、大黒様も飾ることで商売繁盛のご利益が相乗効果でアップするともいわれています。
そのため商売などをされているのであれば、大黒様も飾るといいでしょう。
そしてえびす講は日本行事の一つですから、行事食もあるのではないかと気になりますよね。
日本の行事には定番の食べ物がつきものです。
お正月ならお餅やおせち、節分なら恵方巻き、子供の日なら柏餅などがありますよね。
しかし、えびす講の場合は特に決まった行事食はありません。
ただ、関西ではお参りの後に「笹に小判」という汁物を食べるところもあるようです。
これは九条ネギとハンペンを使った汁物で、福笹をモチーフにした食べ物です。
食べることで縁起担ぎの効果があるといわれています。
えびす講の祀り方は?まとめ
えびす講は恵比寿様に感謝を伝える行事ですが、熊手や福笹などの縁起物、大黒様を一緒に飾るなどの祀り方をすることでご利益をアップさせられるようです。
本来は神無月に居残ってくださる恵比寿様への感謝の気持ちを表す行事ですが、商売をされているならぜひ、縁起担ぎをするといいでしょう。