七夕の短冊の色には意味があった?しっかりした意味合いの短冊に願い事を書こう!
七夕というと笹の葉に色とりどりの短冊を飾り、夏らしい風流な感じになりますよね?
今まで何気に好きな色の短冊に願い事を書いていたかもしれませんが、実はこの短冊の色にはそれぞれ意味があるんです。
七夕に短冊を飾るのは?
まず、なぜ七夕に短冊を飾るのでしょう。
何かの意味があるのでしょうか?
それは七夕の由来にあります。
七夕の由来は中国と日本の2つの説があり、現在の七夕はそれらが合わさったものだと言われています。
中国由来の七夕とは今の日本に伝わる織姫と彦星の話です。
織姫は機織りの上手な娘で真面目に仕事をしていましたが、天帝の引き合わせにより彦星と出逢います。
すると今まで真面目にしていた仕事を放り出すほど、お互い恋愛にのめり込んでしまったため、天帝がお怒りになり、2人を1年に1度しか会えないようにしたという話です。
そして中国では七夕を乞巧奠といい、裁縫の才があった織姫にちなんで、裁縫が上達するように祈る日とされていました。
一方、日本由来の七夕とは、棚機津女(タナバタツメ)のお話です。
昔、水のほとりに神聖な絹を織るための場所があり、村で穢れを知らない棚機津女が選ばれ、一晩で神のために神聖な織物を作っていました。
これにより村は厄災から逃れていたという話です。
この両方に機織りの娘が登場しますが、これになぞらえてどうやら七夕に短冊を飾るようになったようです。
前述しましたが、中国では元々、乞巧奠では裁縫の上達を祈る日とされており、その際に笹や竹を備えたそうです。
というのも、笹や竹は神聖なものとされており、実はこれは日本も同様です。
なぜ、かぐや姫が竹から生まれたのかというと、竹が神が宿るもの、神聖なものとされていたからです。
これにより、神聖な意味合いを持つ竹や笹に七夕飾りをするようになったのですが、最初は今のような短冊ではなく、5色の絹の糸だったそうです。
まあ、中国も日本も機織りの女性の話ですからね、なんとなくわかるような気がします。
それがそのうち、絹の布にかわり、庶民に伝わる頃には紙に変わり、今の短冊になったとされています。
そしてなぜ短冊に願い事を書くようになったのかというと、元々、裁縫の上達を祈る日でしたが、宮中行事に変わる頃には、それが和歌で書道の上達を祈って書く日へと変わっていきました。
ここからさらにまた変わり、短冊には願い事を書くようになっていったのです。
風習も時が経てばいろんな形に変わるようですね。
ただ、変わらないものもあるようです。
それが七夕の短冊の色です。
実は昔から短冊の色は5色とされており、その色は変わっていません。
なぜかというと、その色自体に意味があるからです。
一体どんな意味があり、なぜ5色なのでしょう。
七夕の短冊の色には意味があった?
そもそもなぜ七夕の短冊の色が5色なのかというと、中国の陰陽五行説に由来しているからです。
陰陽五行説とは、自然界のすべてのものを「木、火、土、金、水」の5つにあてはめて考えるという説です。
まあ、元々、七夕も中国由来のお話ですから陰陽五行説が関係していてもなんら不思議はありませんよね。
日本には中国由来の文化も多いので、短冊の色も中国由来ということなのではないでしょうか?
では5色とは何色で、それぞれ何を意味しているのかご紹介します。
・青(緑):木
・赤 :火
・黄 :土
・白 :金
・黒(紫):水
青に関しては緑のことを「あお」ということから、緑に変わっていき、黒に関しては高貴な色を意味する紫に変わっていったそうです。
ただ、この5色には自然の意味合いだけではなく、「五徳」になぞらえた意味合いもあるそうです。
それぞれの短冊の色の意味
では「五徳」とは何なのか。
それは人が持っているべき徳のことで、「仁・礼・信・義・智」を表しています。
それぞれ何色に当たるのかというと、
・青(仁):徳を積む、人間力を高める
・赤(礼):父母や祖先への感謝の気持ち
・黄(信):信頼、友人を大切にする
・白(義):義務や決まり事を大切にする
・黒(智):学業
5色の意味合いはこのようになります。
このことから、七夕も願い事にあった色の短冊に書くと、もしかしたら願いも叶いやすくなるかもしれません。
例えば合格祈願や習い事の上達を祈るなら黒(紫)、友達のことを願うなら黄色、両親の健康を祈るなら赤などを選ぶといいでしょう。
ただ、子供の場合は七夕飾りを作る際に好きな色の短冊を選びがちですが、それもまた子供らしさがあっていいのではないかと思われます。
短冊飾りにも意味があった?
そして短冊の色合いに意味があるように、短冊以外の七夕飾りにもそれぞれ意味があります。
ただの飾りではなかったんですね!
今までは笹を彩り良くするためのただの飾りだと思っていました。
では、その飾りの意味を一つずつご紹介します。
紙衣:女子の裁縫が上達するように
巾着:お金が貯まりますように
投網:豊漁になりますように
屑籠:整理整頓ができますように
吹き流し:機織りが上手になりますように
千羽鶴:長生きしますように
それぞれ、形が意味合いが表しているような感じですね。
巾着は何かが貯まるような形になっていますし、 投網に至ってはまさに漁をするときの網型になっていますよね。
千羽鶴はよくお見舞いの際に作るイメージがありましたが、こんな意味合いがあったんですね。
初めて知りました。
願い事を短冊に書くのもいいですが、ご自宅で七夕飾りを作るなら自分の願いにあった飾りを作るのもいいかもしれませんね。
七夕の短冊の色には意味があった?まとめ
七夕は中国と日本の2つの由来を合わせたものですが、七夕に飾る短冊の色や意味は中国由来のようです。
今まで何も気にせずに選んでいた短冊ですが、もし今度選ぶ機会があれば自分の願い事にあった色合いを選んで、願い事を書いてみてはどうでしょうか。