クリスマスの発祥の国は?北欧ではない?
クリスマスといえば、子供にとってはサンタクロースからのプレゼントをもらえる日で、恋人たちにとっては特別な日ですよね。
そんなクリスマス、始まったのは海外だというのはわかっていますが、発祥がどこの国かというのはなかなかわかりませんよね。
イメージとしては雪深い北欧のイメージですが、実際はどうなのでしょう?
クリスマス発祥の国はどこ?
クリスマス発祥の国はどこなのでしょう?
現在、サンタクロースの国として知られているのはグリーンランドなので、北欧の気がしますよね。
イメージ的にサンタクロースというと、雪深い国に住んでいて、トナカイもいるとなると北ヨーロッパという感じです。
でも実はクリスマスの発祥自体と、サンタクロースの由来自体が少し違うようです。
まず、クリスマスの発祥ですが、由来と言われているのは古代ヨーロッパで行われていた冬至祭です。
クリスマスの由来は冬至祭?
冬至というと、日本でも二十四節気の一つとして知られていますよね。
一年で1番日が短い日として知られており、12月後半にあります。
日本ではこれからの冬本番に向け、体調を崩さないように柚子湯で温まったり、カボチャなどを食べて体を暖かくするイメージですが、古代ヨーロッパの冬至は全く違う意味合いで行われていました。
というのも、古代ヨーロッパでは太陽を神とするミトラ教が信仰されていました。
そして、そんな時代の人々にとって冬というのは太陽が出ている時間が短く、寒さも厳しかったことから悪霊が出る季節と考えられていました。
神である太陽の力が弱まるとともに、寒さや飢えによる死というものが間近に迫ってきていたからだと思われます。
そんなミトラ教の人々にとって冬至というのは特別な日でした。
というのも、冬至を境に太陽が登っている時間が増えるからです。
太陽が出ている時間が長いということは、信者にとっては太陽である神が力を取り戻し始めたということを意味していました。
さらに温かい時間が増えるということは春の兆しということで、神の復活と春の予兆を祝うために「冬至祭」をおこなっていたのです。
ではなぜ、この冬至祭がクリスマスの由来なのかみていきましょう。
冬至祭は伝統的な祭りとして古くからずっと行われていましたが、それとは別にキリスト教を信仰するローマ帝国の侵攻が進みました。
紀元前1世紀ごろ、ローマ帝国が小アジアを侵略した際に、ローマ帝国側はキリスト教を侵攻していましたが、小アジア側は太陽を神とする宗教を侵攻しており、世間的にもキリスト教の布教はあまり進んでいませんでした。
そして当時のキリスト教にとってイエス・キリストの降誕祭は1月ごろに行われていました。
つまり、今のクリスマスとは別の日だった訳です。
そこでキリスト教を広めたいと考えた教皇が「太陽神の復活」である冬至祭と、「イエス・キリストの降誕」であるいわゆる今のクリスマスを一緒の日である12月25日に行うことに定めたのです。
これがクリスマスの由来です。
ではこのクリスマスの発祥の国はどこなのかというと、実はトルコです。
キリスト教といえばローマ帝国に現在の教皇がいらっしゃいますよね。
だからクリスマスの発祥の国もローマかとイメージしがちですが、実は全く違うのです。
でもトルコといえばキリスト教ではなく、どちらかというとイスラム教信仰が根強いですよね。
そんな国が、なぜクリスマス発祥の国と言われるのでしょう。
トルコがクリスマス発祥なの?なぜ?
なぜ、トルコがクリスマス発祥の国なのかというと、当時のローマ帝国の侵攻が影響しています。
当時は侵攻するたびに首都が変わっていました。
そして4世紀に教皇であるコンスタンチヌス帝がローマ帝国の首都をコンスタンティノープルに移しました。
コンスタンティノープルとは現在のイスタンブール、トルコの首都のことです。
つまり、当時イスタンブールはローマ帝国だったということですね。
そしてコンスタンチヌス帝が325年に、12月25日を「キリストの誕生を記念する日」と定めたのですが、その定めた場が「ニケーアの公会議」でした。
ニケーアの会議とは、キリスト教の重要人物が集まってキリスト教に関する様々な問題を解決するための会議でした。
当時、キリスト教はローマ帝国の侵攻と共に広がりつつあったようですが、まだまだ異教徒の勢力が強かったようです。
特に太陽を神と崇める宗教は根強くありました。
そんな太陽神の宗教とうまく融合させればキリスト教も親しまれる可能性があります。
そこで、コンスタンチヌス帝はキリスト降誕の日を太陽神を祝う日である12月25日に行うことにしたようです。
そしてニケーア会議をおこなったのは当時のニケーアですが、現在のトルコ・イズニックという町にあたります。
このことからクリスマス発祥の国はトルコということになるようです。
つまりクリスマス発祥の国というのは「12月25日をクリスマスにする」と定めた場所である現在のトルコということですね。
ただ、現在、トルコではイスラム教徒が90%を占めています。
そのため、発祥の国らしく、国をあげて盛大なお祭りをするということはありませんが、大晦日や新年と合わせてのお祝いはするようです。
ある意味、発祥の国なのに特別なお祝いをしないなんて面白いですよね。
クリスマスの発祥の国は?北欧ではない?まとめ
クリスマス発祥の国は意外なことにトルコなんですね。
でも現在になっても主な宗教はキリスト教ではなく、イスラム教というのも面白いですね。
クリスマスは世界的に広まったものの、制定した国では宗教自体は広まらなかったということなんですね。
北欧が発祥の国でなかったことにも驚きです。
ちなみにクリスマスツリーの発祥は冬至祭に行われていた樫の木の飾りです。
どうやら、クリスマス自体は色々な宗教や伝統が融合したもののようですね。