盆棚の飾り方は?図解のように説明
お盆といえば、ご先祖様が1年に1回帰ってくる時期であり、そのために特別なお供物をしたり飾りをつけたりします。
その代表的なものが盆棚です。
盆棚とは?飾り方を図解のように説明
まず、盆棚とは何なのでしょう?
昔からご自宅にお仏壇があって、お盆飾りも伝統にのっとって行っているという方はわかるかもしれませんが、最近のご家庭は仏壇自体を置いておらず盆棚自体もわからないという方も多いでしょう。
そこで、盆棚がどんなものか、どのような飾りがあるのかご紹介します。
盆棚とは?
まず、盆棚とはご先祖様をおもてなしするための棚です。
お盆はもともとご先祖様が帰ってくる時期とされており、そんなご先祖様を敬い、お迎えするために色々なお供物を用意しますが、そんな時に必要なのが盆棚です。
盆棚にはお盆になるとお盆飾りといって、色々な飾りやお供物をします。
通常、飾り方は仏壇の正面か横に置きます。図解のようにわかりやすく説明すると、盆棚自体は2段式か3段式が定番で、1番上の段に緞子と呼ばれる敷物を敷いて位牌や霊前灯を飾り、2段目にお盆のお膳である精進料理やお花を飾ります。
盆棚は仏具店の他にもホームセンターやネット購入もでき、ない場合はご自宅にある小さめの机でも代わりにできます。
盆棚の飾りは?それぞれ意味がある?
では、盆棚にはお盆になると色々な盆飾りを用意しますが、どんな飾りがあるのでしょうか。定番の飾りやその意味をご紹介します。
真菰のゴザ
真菰はイネ科の植物で、お釈迦様が寝床に使ったと言われている植物です。
そのことから聖なる植物と言われており、飾り方は盆棚の上に敷きます。
そしてこの上に色々な盆飾りを置いていきます。
笹竹
笹竹は小さな竹のことです。
竹は昔から神聖な神が宿る植物とされており、そのことからかぐや姫が生まれたとも言われています。
そんな若竹の飾り方は図解のようにご説明すると、盆棚が大きい場合は4つの角に葉っぱつきの青竹を飾ります。
そのそれぞれの上の方にしめ縄を結ぶことで、結界のような神域にする効果があります。
盆提灯
お盆の飾りの定番といえば盆提灯です。
盆提灯は明かりを灯すことで、ご先祖様が帰ってくる際の目印になります。
家紋や植物が描かれた提灯ですが、初盆の場合は白提灯を用意します。
盆提灯はしっかりと毎年片付ければ翌年も繰り返し使えるのですが、初盆の白提灯だけは使用後は送り火で燃やすか、菩提寺に持ち込んで処分してもらいます。
飾り方としてはわかりやすく図解のように説明すると、盆棚の両側に置きます。
吊るすタイプと置くタイプがあり、地域によっては玄関に置く場合もあるので、地域やご家庭のやり方に合わせるといいでしょう。
ほおずき
ぼおずきは提灯のような形をした植物で、盆提灯と同様に、ご先祖様の目印になる役目があります。
さらにほおずきは中身が提灯のように空洞になっていますが、仏となったご先祖様がそこに身を置くとも言われています。
飾り方としては図解のように説明すると、花立てに飾ったり、若竹のしめ縄に飾ったりして、盆棚を華やかにします。
精霊馬
精霊馬とはナスときゅうりと割り箸や爪楊枝を使って作った馬と牛のことです。
なぜ馬と牛を作るのかというと、ご先祖様が乗るためです。
ご先祖様が家に帰ってきてもらう時にはなるべく早く帰ってきてゆっくりしてもらいたいので、馬を作ります。
ではなぜ足の遅い牛も作るのかというと、ご先祖様があの世に帰る時用です。
なるべくゆっくり帰ってほしいという思いから牛を作るのです。
さらに牛には御供物も持っていけるようにという意味合いもあります。
水の子
水の子とはお米、なす、きゅうりを使って作った御供物です。
作り方は簡単で、研いだお米にさいの目に切ったきゅうりとナスを加えます。
それを蓮の葉にのせて飾るだけです。
なぜ小さなさいの目にするのかというと、食べ物を食べられない餓鬼も食べられるようにという意味合いがあります。
閼伽水
閼伽水とは清浄な水を注いだものです。
悪霊を払う意味合いを込めて、皿には禊萩の花を飾ります。
飾ることで帰ってきたご先祖様についてきた悪霊を祓えるとされています。
盆花
そして盆飾りの定番といえば盆花です。
具体的に何の花を飾らなければいけないといった決まりはありません。
ただ、一般的にはユリやリンドウ、キキョウや萩といった白、黄色、紫の花を指します。
お盆にはスーパーやデパートでも購入できるので、直前で用意することもできます。
そうめん
そうめんといえば夏の定番メニューですが、実は送り盆の飾りとして重要な意味を持っています。
そうめんは細長いことから、「喜びが細く長く続くように」という意味合いがあり、送り盆の際にはご先祖様がお供物をあの世に持っていく際の担ぎ紐になったり、手綱になる意味合いがあります。
盆棚の飾りはいつからいつまで飾る?処分の仕方は?
では、盆棚の飾りはいつから用意すればいいのでしょうか?
また、飾り方同様に処分の仕方も決まっているのでしょうか?
いつから用意する?
盆棚には図解のように飾り方を説明したように色々なお供物を用意して、飾らなければいけませんが、いつまでに飾るといいのでしょう。
まず、盆棚は図解のような飾り方でも説明したように、ご先祖様が帰ってくる時の目印となる盆提灯やほおずきが飾られています。
つまり、飾りが間に合わないとご先祖様が無事に帰って来れなくなるかもしれないのです。
そうならないように、お盆初めの13日の夕方までには飾り終わるようにしてください。
そして盆棚の飾りはお盆が終わる16日まで飾り、お盆が終わった17日に片付けます。
16日で送り火できちんとご先祖様を送り出してから、片付けるようにしてください。
処分の仕方は?
では盆棚には色々な飾りをしましたが、図解のようにご紹介した飾り方同様に処分の仕方にもルールはあるのでしょうか?
盆棚とはご先祖様へのお供物を飾ったものですから、気軽に処分してはいけないような気がしますよね。
盆提灯や真菰のゴザ、盆棚などは翌年もまた利用できるので、綺麗にして片付けておきます。
ただ、図解のような飾り方でも説明したように、盆提灯は初盆の場合、白いものを使っており、お盆明けには処分することになっています。
昔は送り火で処分することもありましたが、最近は自宅で燃やして処分というのは難しくなっています。
そのため、端に少しだけ火をつけて消してから地域の分別に従って処分してもOKです。
それ以外に蓮の葉や精霊馬、水の子、盆花などの生物は塩で清めてから白い紙に包んで捨てます。
束で飾ったそうめんや旬の果物などの食べ物は、食べることが供養になると考えられているので、ご家族で食べてOKです。
そのまま捨ててしまわずにしっかりと清めてから捨てるようにしてください。
盆棚の飾り方は?図解のように説明 まとめ
盆棚はお盆に帰ってくるご先祖様をお迎えするための場所で、図解のように説明すると仏壇正面や横に設置し、その横に盆提灯を置き、棚の上に精霊馬や盆花など色々なものを飾ります。
飾るものに意味合いもあり、ある程度の飾り方も決まっているので、伝統にのっとってご先祖様をお迎えしてみてはいかがでしょうか。