お盆の砂糖菓子には意味があった?美味しく食べる方法は?
お盆の御供物の定番といえばピンク色や黄色の砂糖菓子です。
和菓子というのはわかりますが、正直、そんなに美味しいお菓子とは思えません。
しかし、お盆にはこの砂糖菓子を飾るのが昔からの習慣とされていますが、なぜなのでしょうか?
また、美味しく食べる方法はあるのでしょうか?
お盆のお菓子の定番である砂糖菓子とは?
まずはお盆の御供物である砂糖菓子について詳しくみていきましょう。
お盆の砂糖菓子には名前がきちんとあり、「落雁」と言います。
「落雁」とは日本三大銘菓の一つで、日本を代表する伝統的な砂糖菓子です。
和菓子の中で「打ちもの」と言われ、中国から伝わり、茶道が日本に伝わるとともに広まっていきました。
つまり、お茶の際によく出される和菓子の一つということですね。
この砂糖菓子の作り方は、デンプン粉に水飴や砂糖を加えて色をつけ、花や葉の型に入れ乾燥させて作った干菓子です。
色合いが綺麗で、季節に応じた形をしており、いかにも和菓子といった感じの砂糖菓子です。
ただ、見た目は綺麗ですが、材料からもわかるように、ただ甘いだけのお菓子でもあります。
では、なぜお盆にこの砂糖菓子をお供えするのが定番になっているのでしょうか?
実はきちんとした意味があるようです。
なぜお盆に砂糖菓子?意味は?
まず、お盆に飾る砂糖菓子「落雁」には色々な形がありますが、お盆によく見かける形はピンク色の蓮の花です。
実はこの形はお盆と深い意味合いがあります。
元々、お盆は先祖の供養をするための行事ですが、蓮の花は「極楽浄土」を象徴する花です。
そのため、ご先祖を供養する意味合いを込めて蓮の花の落雁をお供えにするのです。
ただ、蓮の花をモチーフにしたお供えなら落雁以外にも用意できそうですよね。
では、なぜお盆に落雁を供えるのかというと、仏教の教えが関係しています。
仏教ではお釈迦様の教えで「お盆に美味しいものをたくさんのせると、多くの先祖が苦しみから救われる」と伝えられています。
そして当時の美味しいもの・贅沢なものというと、砂糖菓子でした。
そのため、蓮の花を形どった落雁をお盆の御供物として飾るようになったようです。
お盆の砂糖菓子には飾り方がある?
そして、実はお盆に落雁を供える場合は、きちんとした飾り方があります。
仏壇が上中下段に分かれている場合は、中段にお供えします。
そして置き方ですが、箱入りの場合は中身が見えるように蓋を開けてそのまま置いてもいいですし、御供物専用の高杯というお皿に飾っても大丈夫です。
ただ、高杯にのせる場合は原則、2つ1組でおくことになっています。
そして、お皿の上に置く場合はそのまま置くのではなく、半紙を二つに追ってのせ、その上に置くことがマナーとなっています。
お盆の砂糖菓子を美味しく食べる方法
ただ、お盆に砂糖菓子をお供えするのはいいとして、気になるのはお供えの後です。
お盆後、御供物はお下がりとして食べてもいいのですが、この砂糖菓子は甘いだけで、そのまま食べるのはちょっときついと感じる方もいるでしょう。
茶道のお菓子ですから、渋いお茶と一緒に食べるのがいいかもしれませんが、全部そうやって食べるのはちょっと飽きてしまいますよね。
そこで、お盆明けの砂糖菓子の美味しい食べ方をご紹介します。
そのまま食べる
甘いものが好きなようであれば、そのまま食べてもOKです。
最近は砂糖菓子と言っても高級な和三盆を使っているものもあり、上品な甘さを堪能できます。
また、フレーバーがついたものもあるので、そのような砂糖菓子はフレーバーを楽しむといいでしょう。
コーヒーや紅茶に砂糖がわりに入れる
そのままでは食べづらいという方におすすめのリメイク方がコーヒーや紅茶に砂糖がわりに使うことです。
元々、砂糖を原料としたお菓子なので、甘味料として使えます。
使う際にはおろし金やミキサーを使うと簡単に粉状にできます。
また、落雁にはデンプン粉が入っているので、寒い時にとろみをつけたい生姜湯やレモン風味のホットドリンクにもおすすめです。
パウンドケーキやクッキーの材料に使う
次におすすめする方法が洋菓子作りです。
コーヒーや紅茶に使ったのと同様に、粉状にしてしまえば砂糖代わりに使えます。
そのため、パウンドケーキやクッキーなど色々なスイーツ作りに使えます。
ただ、フレーバー付の落雁だと、そのフレーバーがお菓子にも影響する可能性はあるので、どのような味の落雁か確認した上で使った方がいいでしょう。
お手軽なシュガートーストもおすすめ
お菓子作りは苦手という方におすすめのリメイクがシュガートーストです。
食パンにマーガリンやバター、そして粉状にした落雁をたっぷりのせて焼くだけです。
表面がカリッとした食感のほど良い甘さのトーストで、朝食やおやつにぴったりです。
お盆明けの砂糖菓子を捨てるのはOK?
お盆明けの砂糖菓子には前述したようなリメイク方で美味しく食べる方法がありますが、あまりにも砂糖菓子の量が多かったり、甘いものが苦手だとお盆が明けてもなかなか消費しきれないこともあるでしょう。
そんな御供物の砂糖菓子はお盆が明けたら捨ててもいいのでしょうか?
食べ物ですから捨てるのはちょっと気が引けてしまうかもしれませんが、食べきれない場合は仕方ありません。
捨て方としては、仏教やその土地のしきたりに習って、自然に帰す意味合いで川に流したり、土に埋めたりする方法があります。
ただ、砂糖菓子なので、家の近くでそのまま捨てたりすると、アリなどが増える可能性もあります。
また、お盆の砂糖菓子は販売時、ビニールにパッケージングされている場合が多いですが、くれぐれもそのパッケージのまま捨ててしまわないように注意してください。
お盆の砂糖菓子には意味があった?美味しく食べる方法は?
お盆の砂糖菓子は「落雁」という名前で、祖先の極楽浄土を祈ってお供えするものです。
そのまま食べるのもいいですが、コーヒーに入れたりお菓子に使ったりと色々なリメイク法があるので、お盆が明けたら美味しくいただいてみてください。