君が代の歌詞の意味とは?2番や3番もあったって本当?
色々な大会や学校行事で国歌斉唱として歌われるのが「君が代」です。
子供の頃から歌っていると、歌詞の意味を考えたことはありませんでした。
では、君が代にはどんな意味があるのでしょう?
君が代はいつからあるの?
まず、「君が代」はいつからあるのでしょう?
国歌として歌われているので戦後ぐらいからかなというイメージでしたが、実は歴史はもっと古く、平安時代からあります。
平安時代というと、和歌が詠まれていた時代ですよね。
実は君が代も和歌の一つで、平安時代の「古今和歌集」(905年)にある詠み人知らずの賀歌です。
「詠み人知らず」というのは誰が読んだかわからないという意味です。
そして「賀歌」とは長寿や繁栄を祈る歌のことを意味しています。
ここでなんとなく学校行事やイベントで歌われる理由がなんとなくわかった気はしますね。
長寿や繁栄を祈る歌だからこそ、祝典などのお祝いの席で歌われるんですね。
ではそんな古い歌がどうして国家になったのでしょう。
そんなに古くから国家だったのでしょうか。
そうではありません。
平安時代に作られた歌ですが、庶民に広まったのは鎌倉時代です。
賀歌なので長寿やお祝いの歌として親しまれました。
さらに恋愛の歌としても親しまれていたようです。
君が代が恋愛の歌だなんて意外ですよね?
国歌になったほどなので、もっとお堅い意味があるのかなと思っていたのですが、どうやら違うようですね。
そしてそんな庶民に親しまれた歌ですが、当時は今のような曲ではなかったようです。
江戸時代に三味線で曲をつけたものが流行るようになり、明治13年に雅楽奏者の林廣守が曲を起こし、ドイツ人音楽家フランツ・エッケルトが西洋風和声をつけたことで国歌として親しまれるようになりました。
つまり君が代の歴史は長いものの、国歌となったのは割と最近なんですね。
ちなみに君が代は賀歌なので平安の歌として親しまれていましたが、戦時中は天皇を讃える歌で軍事国家の象徴するような意味合いに使われていたため、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)により、日の丸掲揚と君が代の斉唱が禁止されてしまいました。
しかし特定の場合の斉唱は許可され、平成11年に正式に国歌に制定されたのです。
君が代が国歌になったのは本当につい最近なんですね。
君が代の歌詞の意味とは?
では君が代の歌詞の意味についてみていきましょう。
長寿や繁栄、さらに恋の歌として親しまれてきたなんて、どんな意味か気になっちゃいますよね。
君が代の歌詞を見てみると「君が代は 千代に八千代に さざれ石の 巌(いわお)となりて 苔(こけ)のむすまで」ですが、現在使われている言葉ではないので正直、全く意味がわかりません。
では、現代風に解釈するとどういう意味なのかというと、「あなたの命が、千年も八千年も永遠ともいえる時間、小さな石が大きな岩になって、その岩に苔が生えるまで、長く長く続きますように」といった感じです。
ここでいう「君(あなた)」というのは身近な人を指しています。
そのため、「大切な家族の命が長く続きますように」と言った意味合いで、長寿や繁栄の歌として親しまれるようになったようです。
ではなぜ、恋の歌としても親しまれたのでしょう。
実は古代日本語では「キ」は男性、「ミ」は女性を表しています。
というのも、日本神話に最初に登場する男性の神が「イザナキ」、女性の神が「イザナミ」だからです。
両者の名前の末尾が性別を指していると言われ、「君」というのは心身ともに成長した男女を表すとされています。
そして「さざれ石の巌となりて」というのは「小さな石が固まって大きな岩となる」ことを意味しており、団結したり、協力し合うことを指すようです。
さらに「苔の蒸すまで」というのは「堅い絆で信頼していこう」ということなので、「男女2人で一緒に長く信頼して歩んでいこう」というような意味合いにも取られ、恋の歌のようにも聞こえるようです。
昔の言葉で書かれているからこそ、色々な意味合いにとれるということなんでしょうね。
恋の歌だと思うと、これから国歌斉唱するときに恥ずかしくなってしまいそうです。
2番や3番もあったって本当?
そして今でこそ君が代は1番のみしかないように思われていますが、時代によっては2番、3番、4番まで続いていたことがあります。
1番は詠み人知らずの今と同じ歌詞なのですが、なぜか2番、3番、4番はそれぞれ別の人の歌でした。
明治23年の教科書には3番まで記載されており、2番は「君が代は? 千尋(ちひろ)の底のさざれ石の? 鵜(う)のゐる磯と? あらはるるま」で作詞は平安時代末期の武将の源頼政です。
意味は「我が君の御代がいつまでも長く続きますように。深い海の底の小石が波に打たれて集まり、鵜のいる浅瀬に磯となり現れるまで。」という感じです。
簡単にまとめると「君の御代が長く続くように」という意味です。
さらに3番は「君が代は? 千代ともささじ天の戸や? いづる月日の? 限りなけれ」で、作詞は平安時代の歌人・藤原俊成です。
意味は「わが君の御代は、千年などと期間を定めて歌に詠むことはできません。天の戸から出る月や太陽と同じように、限りなく存在し続けるのですから。」ということです。
2番も3番も「君の御代が永遠に長く続きますように」と言った意味合いのようですね。
確かに天皇を讃える歌のように聞こえますね。
普通、歌というのは全て同じ人が作詞するようなイメージですが、なぜか君が代に至っては違ったようですね。
庶民に親しまれている人気の歌ということで、有名な人の歌を加えようと思ったのでしょうか?
さらに3番の歌詞が異なっていた時もあるようで、その時の3番は「君が代は 限りもあらじ 長浜の真砂の数は よみつくすと」でした。
これは詠み人知らずの歌で、光孝天皇の大嘗祭で贈られた歌だそうです。
君が代の歌詞の意味とは?まとめ
君が代は今でこそ祝典などで歌う国歌として知られていますが、元々は長寿や繁栄を願う歌で、恋の歌としての意味合いもあったようですね。
しかし、国歌として有名な歌が詠み人知らずの歌だなんて驚きましたね。
改めて、意味合いも考えながら今度歌うと、今までとは違う歌のような気がするかもしれませんね。