日本で馴染みのないイギリスの貴族や階級意識とは?
日本では格差はなくなりつつあるとは言いつつも、まだ貧富の差は結構あります。
そして格差といえばイギリスでは今も貴族がおり、階級意識が高いようです。
イギリスは階級意識が高い国?
まず、今の日本では階級制度というものはありません。
「人は皆平等」という考えが浸透してはいますが、実際は階級こそないものの未だに貧富の差はあります。
それとは別に、イギリスではしっかりとした階級制度がまだ残っています。
イギリス貴族とかいう言葉は映画などでもよく聞きますよね。
日本で階級制度というと、差別をイメージしますが、それとはまたちょっと違うようなんです。
では、日本では分かりづらいイギリスの階級制度をご紹介します。
イギリスの階級とは?大きく3つに分けられる
まず、イギリスの階級制度ができたのは18世紀の産業革命です。
階級は大きく3つに分けられ、上流階級、中流階級、労働者階級があります。
さらに中流階級はその中でさらに3つに分けられ、上位中流階級、中位中流階級、下位中流階級があります。
では、それぞれの階級をもっと詳しくみていきましょう。
上流階級
「アッパークラス」とも言われる階級で、王族や貴族、地主、資産家などがこの階級にあたります。
いわゆる、生まれつき裕福な階級のことですね。
幼少期からパブリックスクールに通い、その後、ケンブリッジ大学やオックスフォード大学に進学するのが一般的とされています。
中流階級
「ホワイトカラー」と言われる階級です。
中流階級も大学まで進学するのが一般的です。
労働者階級
「ブルーカラー」と言われる階級です。
この階級の場合は義務教育を終えるとすぐに働くのが一般的とされています。
ただ、もちろん進学できないというわけではなく、学業成績次第では進学も可能で、それを踏み台に階級を上げていくこともできます。
では、階級とはどうやって決まるのかというと、出自で決まります。
つまり、貴族出身であれば、生まれつき貴族ですし、労働者階級で生まれれば生まれつき労働者階級だということです。
では具体的に階級の違いがどう言うところに現れるのかというと、まずは話し方です。
イギリスというと言語は英語ですが、階級によって訛りが違います。
労働者階級の場合はコックニーという強い訛りがある英語を話します。
逆に貴族などの上流階級の人々はクイーンズ・イングリッシュという話し方を使い、独特の言い回しやアクセントがあります。
これがアメリカ英語との差を作っているんでしょうね。
英語にあまり馴染みのない日本人からすると区別しにくいかもしれませんが。
イギリスでは上位中流階級以上になると、子供の頃から私立の寄宿学校に通い、上流階級にふさわしい話し方や立ち居振る舞い、考え方を学ぶそうで、これが階級意識を根強く残す要因になっているようです。
そのため、労働者階級から進学しても話し方や考え方が貴族出身などの上流階級と違い、階級の壁にぶち当たると言われています。
日本の格差とイギリスの階級は違う?
では、日本にはイギリスのような階級こそないものの、格差はありますよね。
イギリス貴族のような階級制度とどのように違うのか、みていきましょう。
日本の格差とは?貧富の差で決まる?
まず、日本は貴族や労働者といった階級はありませんが、収入によって生活環境はかなり違いますよね。
つまり貧富の差が日本の格差になっているのです。
ですが、逆にいうと、生まれがどんなに貧しくても出世して大金持ちになることは可能です。
いわゆる「成金」なんて言われたりしますが、大金持ちになることで、資産家と知り合いになって仲間入りしたり、子供を有名私立校に入れられたりします。
そして日本の場合は各地で方言こそあるものの、お金持ちでも貧しくても言葉が変わるということはほとんどありません。
育った環境が影響するので話し方は多少違うかもしれませんが、それは大人になってからでも変えられます。
つまり、日本での格差は貧富によるものなので、例え出自が貧しくても出世次第では格差など感じなくなります。
では、イギリスの階級はどうなのでしょう。
イギリスの階級は変えられない?
実はイギリスでは階級に資産は関係ありません。
つまり、貴族とはいっても中には貧しい貴族だっているのです。
そして階級にプライドを持っているのは王族や貴族といった上流階級といったイメージですが、そういうわけではありません。
労働者階級の人々も自分の階級にこだわりを持っています。
そして労働者階級というと日本人からするとその名前から貧しいイメージがありますが、中にはお金持ちの労働者階級の人々もいます。
有名なサッカー選手デビッド・ベッカムも労働者階級なのです。
スタイリッシュなファッションに身を包み、ブランドのイメージモデルにもなったほどなので、日本人からするとセレブといった感じですよね。
でも実は彼は労働者階級で、話し方もコックニーです。
そして労働者階級だからといって自身の話し方や生活習慣を変えようとはしていません。
つまり労働者階級であろうと、自分の階級を卑下しているわけではないのです。
ではイギリスの階級は変えられないのかというと、変えるのは大変ですが、できないというわけではありません。
ただ、イギリスでは「労働者階級からのし上がるためには、サッカー選手かミュージシャンになるしかない」と言われています。
それほど難しいということです。
日本の場合は出世するのが美談とされることがあります。
ドラマでも「出世してのしあがろう」というのをテーマにしていたものもありました。
ただ、イギリスではそのような出世ストーリーはあまり好まれていないようです。
というのも、出世自体が難しいからです。
でも、出世しなくても自身の階級にプライドを持っている人は多くいるので、階級意識こそあるものの、そんなに気にする格差はないのかもしれません。
日本で馴染みのないイギリスの貴族や階級意識とは?まとめ
日本では階級制度は馴染みがありませんが、イギリスには王族・貴族といった上流階級、中流階級、労働者階級の大きく分けて3つの階級制度があります。
貧富の格差とは全く違う制度で、生まれつき決まっており、それぞれの階級で考え方も違うようですね。
昔ほど階級意識は強くないものの、未だ根強く残っているので、もしイギリス観光などに出かけたら、気にしてみるといいかもしれません。