卒業文集の書き方
3学期、もうすぐ卒業というお子さんにとって進路以外の悩みといえば卒業文集です。
小・中・高校の卒業時には卒業文集の制作に一番困ったという親御さんも多いのではないでしょうか。
卒業文集とは自分が思い出に残っていることや、書きたいことを書く作文ですが、作文が苦手という方は結構多く、お子さんに書き方を聞かれても困るという人もいます。
卒業文集って何を書けばいいの?
まず卒業文集を書く上で決めなければいけないことがあります。
それが「テーマ」です。
テーマを決めておけば、それを作文の主軸として書けるので、何をテーマにするかが大切です。
テーマというと定番で挙がるのが修学旅行や体育祭、文化祭です。
修学旅行は学校生活での一大イベントであり、どこにいくかも学校によっては多数決や抽選で決めたり、卒業生にとって1番の関心ごとでもあります。
行き先が決まれば、班でどこを見て回るのか、何をお土産に買うのかなど出発する前から話題に事欠かないイベントです。
また、体育祭もクラス対抗戦などがあり、クラス一丸となって臨めるイベントです。
さらに文化祭では出し物を決めて、そのためにクラスみんなで頑張ったり、先生方にも協力してもらったりと、お祭り気分で楽しめる行事です。
ただ、2020年からは流行り病の影響で、学校行事が思うようにできなかったという学校も多く、卒業文集のテーマが思いつかないという子もいるでしょう。
しかし、卒業文集のテーマというと別に学校行事ではなくてもいいのです。
では、具体的にどのようなテーマが他にあるのか、ご紹介します。
テーマは学校行事だけではない!
卒業文集は自分が興味を持ったことを中心に書けばいいので、学校行事だけを書く必要はありません。
例えば数年前に行ったライブをきっかけに音楽に興味を持ったなら、そのライブで何を見たのか、何を感じたのか、そして今後どうしようと思っているのかをまとめて書けばいいですし、旅行をきっかけに伝統芸能や建築に興味を持ち、それを手がけるような仕事につきたいのなら、そのようなことをまとめて書けば大丈夫です。
また、そのような特別な経験などなくても日頃のこともテーマにできます。
例えば毎日頑張った部活のことを書いたり、友達とのことを書いても大丈夫です。
何気に普段のことを書いた方が周りと被らずに書きやすいと感じる方もいるでしょう。
特に最近は流行り病により、友達と遊んだり、一緒に活動する機会がグンと減りました。
だからこそ、普段からの繋がりを大切にした文章を書きたいと思う方もいるのではないでしょうか。
流行り病だからこそ感じられた人の温かみや支えなど、感じたことは人それぞれです。
そのため、卒業文集に何を書くかは自由なのです。
卒業文集の書き方
では、卒業文集のテーマが具体的に決まったら、どのように書けばいいのでしょうか。
文章の書き方は起承転結で書けば、ストーリー性があり、読んでいても楽しく読めます。
簡単な具体例を挙げてみましょう。
前述したライブを見て音楽関係の仕事を目指そうと感じたことをテーマにしてみると次のようになります。
①起
高校生活を振り返って、将来目指すべきものができたことを述べます。
②承
それまで、漠然と会社員になることを考えていた、もしくは目指すものが特になかったなど、きっかけと出会う前の自分のことを書きます。
③転
数年前、あるアーティストのライブで感動したことを書きます。
どういった経緯でそのライブにいくことになったのか、そこで何を見たのか、そしてどのように感じたのかを具体的に書きます。
④結
ライブをきっかけに音楽関係の仕事に興味を持ったこと、その仕事に就くために卒業後にどのような道を行くのかを書きます。
卒業文集もこのように書くと、作文が苦手な方でもストーリー性があるので読みやすく、言いたいことも読み手に伝わります。
子供に卒業文集の書き方を教える場合も同様です。
まず先にテーマを決めてもらい、それを主軸に、そう考えるまでに何があったのか、実際に起きたこと、それを見てどう考えたのかなどを簡単にメモにまとめさせます。
今度はそのメモを見ながら起承転結にならい、具体的に書くだけで作文になるので、難しそうに考えていた卒業文集も簡単に書けるのです。
生徒や子供に自分で書いてもらうために
では、生徒や子供に自分で卒業文集を書いてもらうためにはどうすればいいでしょうか。
先生や親御さんも忙しくて全部見てあげられないということもあるでしょう。
特に近年は流行り病の影響もあり、リモートで作業をしてもらう場合もあるでしょう。
そんなの時、子供が自主的に卒業文集を書こうとしてくれると作業も簡単に進みます。
そのためには作業しやすいように書き方のポイントを教えることが必要です。
まず一つ目にテーマを決めさせることです。
テーマが卒業文集の主軸になるのでそれさえ決めてしまえば、後は文の構成を作るだけです。
とは言うものの、「文の構成」や「起承転結」といっても、小中学生には伝わらない場合があります。
では、何と伝えればいいのかというと、簡単にいうと作文を「はじめに」と「メイン」、「まとめ」に分けて書くように指導します。
「はじめに」は起承転結の起承であり、「メイン」にうまくつながるような文を書くだけです。
そして大事なのが「メイン」で、文章の8割程度を「メイン」で書くと楽です。
そして「まとめ」で、感じたことやこれからしたいと思うことを重点的に書くようにすれば、ある程度はまとまります。
そして、文章を書く上で習った漢字はしっかりと書くこと、綺麗に書くことを支持しておけば大丈夫です。
小学生の場合は、そうはいっても誤字があったり、綺麗に書けない場合があるので清書をする前に、練習として何枚か書くようにするといいでしょう。
リモートの場合は「テーマの決め方」、「文章の書き方」などをプリントに簡単にまとめ、練習用の作文用紙数枚と一緒に渡しておき、自宅で書いてもらうといいでしょう。
この時に「卒業文集はこの先ずっと残るから大人になった時にみるかもしれないね」と言っておくと、普段しっかり書こうとしない子でも、なんとか書こうとします。
うまくまとめられない子もいるかもしれませんが、それもその子の個性かもしれません。
卒業文集の書き方 まとめ
卒業文集は大人になっても見返す大切な思い出です。
実際に書く際は面倒に感じますが、後から見直してみると、自分はこの時、こう感じていたんだと改めてわかったりします。
また、自分だけでなく、友達の文集も一緒に見れると同時に自分のも人に見られるので、後から恥ずかしい思いをしないようになるべくしっかり書くようにしましょう。