時候の挨拶を一覧で紹介!これで日本ならではの上品な手紙を!
最近はスマホやネットですぐに連絡が取れることから、手紙を出す習慣が少なくなってきていました。
しかし、近年はコロナの影響もあり、なかなか会えない人に手紙を出そうとする方も増えてきているようです。
ただ、いざ手紙を出そうとするとどのような書き出しにすればいいのか、わからない場合もあります。
そんな時に書き出しとしておすすめなのが「時候の挨拶」です。
時候の挨拶は季節感を感じられる言葉ですが、出す時期によって変えなければいけません。
時候の挨拶とは?
まず、「時候の挨拶」とは具体的にどのような挨拶なのかというと、手紙の書き始めに書く言葉です。
これは日本ならではの習慣で、欧米やヨーロッパなどの手紙にはこのような書き始めは必要ありません。
そんな時候の挨拶は月ごとに異なり、その時期の気候や景色を表していることから、四季折々の景色が豊な日本らしい習慣ともいえます。
しかし、いざ書こうとすると普段から手紙を書いている方ならわかるかもしれませんが、普段あまり書いていないと、その時期の時候の挨拶がわからなかったりします。
そこで、いつでもその時期にぴったりな時候の挨拶がわかるように一覧でご紹介します。
一覧があれば、思い立った時にすぐに手紙を書けますし、友人や知人だけでなく、取引先の方に手紙を出す際にも便利です。
月ごとの時候の挨拶を一覧にしたので、出すタイミングに合わせて選べます。
また、時候の挨拶には言葉だけでなく、簡単な文章もあるので一覧で一緒にご紹介いたします。
時候の挨拶 書き始め一覧
まずは時候の挨拶において、書き始めの言葉や文面を季節ごとにご紹介します。
春
まず、春といえば、次第に暖かくなりはじめ、緑が芽吹いたり花も咲き乱れる頃です。
春の時候の挨拶にもそのような自然の様子を表した言葉がたくさんあります。
では、そんな春の時候の挨拶を月ごとに一覧でご紹介します。
【4月】
「陽春の侯」、「桜花の候」、「春暖の候」、「惜春の候」
「春爛漫の折から」、「桜の花は今を盛りと咲き誇っております」、「おぼろ月夜の美しい頃となりました」、「花の盛りもいつしか過ぎて、葉桜の季節を迎えました」、「若草が萌えたち春も深まってまいりました」、「行く春を惜しむこのごろです」
【5月】
「新緑の侯」、「薫風の候」、「立夏の候」、「晩春の候」
「新緑が目にしみいるようになりました」、「青葉若葉のさわやかな季節です」、「風薫る五月となりました」、「ゴールデンウィークは楽しく過ごされましたか」、「初夏の風が心地よく感じるようになりました」
【6月】
「梅雨の侯」、「入梅の候」、「紫陽花の候」、「向暑の候」
「梅雨空のうっとうしい季節です」、「初蝉の声きく頃」、「紫陽花の花が日ごとの長雨に色づいてきました」、「学生さんの夏服が向暑の季節を告げていますね」、「梅雨の晴れ間の青空は、すっかり夏色になりました」
このように春は4月は桜、5月は新緑、6月は梅雨など日本らしい四季の景色を時候の挨拶として取り入れています。
夏
次にご紹介するのが夏です。
夏は夏休みや花火などを取り入れた時候の挨拶があります。では、一覧でご紹介します。
【7月】
「盛夏の侯」、「猛暑の候」、「大暑の候」、「炎暑の候」、「夏祭の候」
「うっとうしい梅雨もようやくあけました」、「暑中お見舞い申し上げます」、「蝉の声もひときわ高くなりました」、「暑さが日ごとに加わってまいります」、「海開きのお便りを聞く時期になりました」、「楽しい夏休みを迎えて」、「七夕の笹が風に揺れています」
【8月】
「残暑の侯」、「秋暑の候」、「晩夏の候」、「立秋の候」、「処暑の候」
「残暑お見舞い申し上げます」、「熱帯夜の続く毎日ですが」「立秋とは名ばかりの暑い日が続いています」、「朝夕にはかすかに秋の気配を感じます」、「暑さもやっと峠を越したようです」、「夜空に花火の一瞬のきらめきが美しく」
【9月】
「初秋の侯」、「野分の候」、「白露の候」、「秋分の候」、「秋桜の候」
「鈴虫の音が美しく」、「萩の花が風にゆれる頃」、「まだ残暑が続いております」、「朝夕はようやく凌ぎやすくなりました」、「長袖のカーディガンが必需品になりましたね」、「秋刀魚が美味しい季節となりました」
このように7月は猛暑、8月は残暑、9月は虫の音など気温や聞こえてくる日本ならではの風情を時候の挨拶に取り入れています。
秋
次にご紹介するのは秋です。
秋と言っても初冬の時期も含みますが、そんな10月から12月の時候の挨拶を一覧でご紹介します。
【10月】
「秋冷の侯」、「菊花の候」、「霜降の候」、「紅葉の候」、「仲秋の候」
「秋たけなわの頃」、「味覚の秋を迎え」、「芸術の秋、スポーツの秋になりました」、「秋の長雨が続いております」、「菊の花が綺麗に咲く時期となりました」
【11月】
「晩秋の侯」、「向寒の候」、「立冬の候」、「落葉の候」、「深秋の候」
「紅葉の季節を迎えました」、「日足がめっきり短くなりました」、「落ち葉が風に舞う時期となりました」、「こたつの恋しい季節になりました」
【12月】
「初冬の侯」、「師走の候」、「歳末の候」、「冬至の候」、「大雪の候」
「年の瀬を迎え」、「カレンダーも最後の一枚となりました」、「冬枯れの季節を迎えました」、「年の瀬も押し迫ってまいりました」、「師走に入り、寒さも本格的になってきました」
10月は長雨や11月は紅葉など秋らしい季語を時候の挨拶に取り入れています。
12月は初冬ということもあり、こたつや本格的な寒さ、年末の忙しさを時候の挨拶に入れてもいいようです。
冬
最後にご紹介するのが冬です。
お正月や節分などの行事を取り入れた時候のあいさつもあるので一覧でご紹介します。
【1月】
「厳寒の侯」、「初春の候」、「大寒の候」、「新春の候」、「小寒の候」
「お正月気分は抜けましたか」、「寒中には珍しく、うららかな日が続いております」、「例年より寒さが身にこたえております」、「新年早々ではございますが、」、「寒中お見舞い申し上げます」
【2月】
「余寒の侯」、「立春の候」、「春寒の候」、「節分の候」、「春浅の候」
「余寒厳しき折から」、「暦の上ではもう春だというのに」、「寒さの中にも春の足音が聞こえてきます」、「陽射しが春めいてまいりました」、「花粉症には辛い季節となりました」、「節分を過ぎたというのに寒い日が続いています」
【3月】
「早春の侯」、「春暖の候」、「浅春の候」、「春寒ゆるむ候」
「桃の節句も過ぎ、すっかり春めいてまいりました」、「寒さ暑さも彼岸までと言うように」、「桜の花が待ち遠しい毎日です」、「春分を過ぎ、桜の開花が待たれる頃となりました」
1月は年始の言葉、2月は節分、3月は桃の節句など日本らしいイベントごとを入れるのもいいようですね。
それにより読むだけで相手に季節感を与えられるので、日本らしい上品な印象の手紙になるようですね。
時候の挨拶を一覧で紹介!まとめ
このように日本の手紙では時候の挨拶を添えることで、読むだけで遠く離れている相手とも季節感を共有できます。
一覧にまとめましたので、大切な方に手紙を書くときの参考にしてみてください。