「ひいては」と「しいては」の違いとは?意味が全く違う?使い方を例文で見てみよう!
「ひいては」というのは「世間のため、ひいては国民のため」などと使うことがありますよね。
似たような言葉に「しいては」というのがありますが、意味に違いはあるのでしょうか。
「ひいては」と「しいては」の違いとは?意味が全く違う?
「ひいては」と「しいては」の違いを知るために、それぞれの意味から見ていきましょう。
まずは「ひいては」の意味からです。
「ひいては」とは漢字表記では「延いては」と書きます。
「延」は「のびる」、「延長する」という意味合いがあり、そのことから「ひいては」とは「進めていった先」のことを表します。
つまり、意味としては「最終的には」、「結局のところ」、「とどのつまり」という意味があるのです。
そんな「ひいては」の使い方を例文で見てみると、
・個人のパフォーマンスを最大限に発揮することが、ひいてはチームの優勝につながるのだ。
といった感じです。
つまりこの例文の意味としては「個人のパフォーマンスを最大限に発揮するとがチームの優勝につながるのだ」ということです。
この例文にも表したように、「ひいては」の使い方にはちょっとしたコツがあります。
それは「A、ひいてはB」という使い方をするのです。
この使い方での意味としては「Aすること広がり、のちにBになる」ということです。
例文でも「個人のパフォーマンスを最大限に発揮する」ことがチーム全体に広がり、それが後に「チームの優勝につながる」ということです。
そんな「ひいては」の類語としては「さらに」、「それに留まらず」があります。
「さらに」は添加の意味で使われる言葉で、前述の例文に当てはめてみると、
・個人のパフォーマンスを最大限に発揮するようにすれば、さらにチームの優勝へとなるだろう。
という感じです。
また、「それに留まらず」は「物事の範囲がさらに先に進むこと」を表しており、まさに「Aすることは、それに留まらずにBになる」と、「ひいては」と同じような使い方ができます。
このように「ひいては」には「Aすることが、Bになる」という意味があります。
ではそんな「ひいては」と「しいては」の違いは何なのでしょう。
実は「しいては」という言葉は正しい日本語としてはありません。
そもそも、その言葉自体がないというのが「ひいては」との違いですね。
では、なぜよく聞くように気がするのかというと、「強いる」という言葉がありますよね。
「強いる」とは「嫌がることを無理にやらせること」を意味しているのですが、この「強いる」と「ひいては」が混同されることによって、「しいては」が生まれたようなんです。
辞書などには「しいては」という言葉はありませんが、「強いる」の使い方の一つとして、文中に「しいては」と用いる場合があります。
つまり、意味合い的には「ひいては」とは全く違い、「無理にやらせる」といった意味合いで使われているようです。
そんな使い方を例文に挙げてみましょう。
・お酒が苦手な人に強いてはいけない。
意味は「お酒が苦手な人に無理をさせてはいけない」ということです。
それではそれぞれの使い方を例文でもっと詳しくみてみましょう。
「ひいては」と「しいては」の使い方を例文で見てみよう!
では、「ひいては」と「しいては」の意味の違いがわかったところで、使い方について例文でもっと詳しくみていきましょう。
まずは「ひいては」の例文で使い方を見てみましょう。
・この地域、ひいてはこの国のためになるように尽力を尽くしてまいります。
意味は「この地域だけでなく、さらにはこの国のためになるように力を尽くします」ということです。
政治家が演説で言いそうな言葉ですよね。
地域という狭い範囲だけでなく、その延長上で国という大きな範囲でも力を尽くしたいということですね。
次の例文でも使い方を見てみましょう。
・社員の働きやすい環境にすることが、ひいては会社の利益につながるだろう。
意味は「社員が働きやすい環境にすることが、会社の利益に繋がっていくだろう」ということです。
確かに働きにくい会社では個人の能力が十分に発揮されにくいので、会社の利益が伸び悩んでしまうこともあるでしょう。
でも逆に社員が働きやすい環境を整備することで、個人のパフォーマンスを最大限に活かせるので、その分、仕事のスキルもアップし、それが会社の利益につながるということですね。
次の例文でも使い方を見てみましょう。
・食生活の改善は、ひいては健康に繋がっていくのは今では常識になっている。
意味は「食生活の改善が健康につながる」ということですね。
確かに食べ物は自分の体を作る元になっているので、栄養バランスなどを改善すればそれは健康につながりますよね。
このように「ひいては」の使い方としては「A、ひいてはB」と書くことで、「Aすることで、後にBとなる」という意味になります。
では今度は「しいては」の例文を見てみましょう。
「しいては」はその言葉自体がないので、きちんと意味を持つ「ひいては」と使い方が全く違います。
「しいては」の場合は文中にのみ見られる言葉なので、その使い方の違いを見てみましょう。
・行くのを嫌がる人をしいては良くないだろう。
意味は「行くのを嫌がっている人に無理をさせるのは良くないだろう」ということです。
次の例文も見てみましょう。
・営業のノルマもあるのだろうが、あまり購入が乗り気でない人にしいては余計売れないだろう。
意味は「営業のノルマもあるだろうが、あまり購入する気がない人に無理しても余計売れないだろう」ということです。
確かにノルマがあると誰にでも売りたくなるでしょうが、相手に無理やり売ろうとするのはかえって逆効果だったりしますよね。
今度は「しいては」とは違い、「しいて」という使い方の例文を見てみましょう。
・今回の件はお互いが悪いが、しいていうなら、君の配慮が欠けていたね。
意味は「お互い悪いが、あえて言うなら君の配慮が欠けていた」と言うことです。
この例文ではちょっと使い方を変えていますが、意味は同じですね。
このように「しいては」というのは文中でたまたまそのような表示になるだけで、意味合い的には「強いる」というニュアンスで使っているのです。
「しいては」は「強いる」という言葉を使う上でたまたま文中に「しいては」となる場合があるだけです。
「ひいては」と「しいては」の違いとは?意味が全く違う?使い方を例文で見てみよう!まとめ
「ひいては」と「しいては」というのは同じような言い方をしつつ、その意味や使い方は全く違います。
「ひいては」というのは「A、ひいてはB」と使うことで、「Aすることで、後にBになる」という意味があります。
一方、「しいては」というのは「強いる」を文章中に使う際にたまたまそのような形になるだけの言葉です。
例文に挙げたように全く意味も使い方も違うので、間違えないようにしましょう。
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