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「もののふ」の意味や類語は?どんな使い方をするか例文で見てみよう!

もののふ

「もののふ」の意味や類語は?どんな使い方をするか例文で見てみよう!

古文で「もののふ」という表記を見ることがありますよね。

でも、「もののふ」とは何なのでしょうか。

ジブリ映画の「もののけ姫」でも知られる「もののけ」と言い方が似ていますが、意味は違うのでしょうか。

あい
そこで、「もののふ」とはどんな意味なのか、類語はあるのか、どんな使い方をするのか、例文と合わせてみていきましょう。

「もののふ」の意味や類語は?

もののふの意味

まずは「もののふ」の漢字表記から見ていきましょう。

「もののふ」の漢字表記は二つあります。

それは「武士」と「物部」です。

「武士」というと、「ぶし」と読むことで知られていますが、実は「もののふ」と読むこともできます。

では、そんな「もののふ」の意味はというと、「武術に優れて主君のために戦う人」、「朝廷に仕えて軍事や刑事に携わった人」ということです。

ちなみに「武士」、「物部」、どちらも「もののふ」と読むのですが、具体的には「武士」というのは「武術に優れて、主君のために戦う人」、「物部」というのは「朝廷に仕えて軍事や刑事に携わった人」を示します。

では、なぜこのような二つの「もののふ」があるのかというと、語源に理由があります。

「もののふ」というのは元々は「物部(もののべ)」と言われ、朝廷に仕える人のことを意味していました。

その音が変化して「もののふ」と呼ばれるようになりました。

さらに朝廷には軍事に携わるものを武、職務を全うするものを士と呼んでいたことから、両者を合わせた言い方として「武士」ともいうようになったのです。

そんな「もののふ」の使い方は、古語として使われます。

確かに現代語では「もののふ」なんて使い方はそうそうしませんからね。

ではどのような使い方をするのか例文に挙げてみましょう。

・猛きもののふの心をも慰むるは歌なり。

この例文は古今和歌集にある歌の一つです。

意味は「勇ましい武士の心を慰めてくれるのは歌である」ということです。

このように「もののふ」の使い方としては古語として使われるのが一般的なのです。

また、もう一つの使い方として「もののふの道」ともいえます。

「もののふの道」とは、「武士として守らないといけない道」のことで、いわゆる「武士道(ぶしどう)」のことです。

武士道では、忠誠や犠牲、名誉を守ることとされています。

では、そんな「もののふ」に類語はあるのでしょうか。

「もののふ」は武士のことなので、武士の類語としては「侍」があります。

侍とは「武術の腕を持ち、貴族や武家に仕えるもの」という意味で、主君のために戦う「もののふ」と同様の意味です。

ただ、例文で「もののふ」を侍に言い換えられるのかというと、ちょっと違います。

というのも、「もののふ」は古語であるため、一般的な言葉である侍を用いると違和感が生まれてしまうからです。

そのため、例文の意味を表す際には類語でもいいのですが、文章そのものを言い換えるには適切ではないでしょう。

ちなみに「もののふ」と似たような言い方に「もののけ」がありますが、「もののけ」は「もののふ」の類語なのでしょうか。

実は類語どころか、全く意味が違います。

「もののけ」というのは、漢字表記すると「物の怪」、「物の気」となり、意味は「人を祟ったりする妖や死霊」のことです。

つまり、どちらかというと、「もののふ」とは反対の意味の存在のことを表しているのです。

そんな「もののけ」で有名なのがジブリ映画の「もののけ姫」ですよね。

あの映画には色々な神様が出ており、その中には祟り神もいましたよね。

まさに「もののけ」が登場していたのです。

あい
このように「もののふ」というのは読み方こそ違うものの、日本でいう武士のことを意味しており、類語には侍という言葉があります。
ただ、「もののふ」は古語であることから例文などでは簡単に言い換えができないようです。

「もののふ」の使い方をするか例文で見てみよう!

もののふの使い方

では、「もののふ」の正しい意味や類語がわかったところで、使い方を例文で見てみましょう。

・なによりも主命を大切にするのが、真のもののふである。

意味は「何よりも主人の命を大切にするのが、真の武士である」ということです。

では、類語に言い換えられるのかというと、今回の例文は文章全体が現代文風の使い方がされているので類語の「侍」に言い換えても不自然ではないでしょう。

では、次の例文でも使い方を見てみましょう。

・主人のために命を落とすことが、もののふの本懐なのだ。

意味は「主人のために命を落とすことが、武士の本望だ」ということです。

確かにそのような考えは忠誠を尽くす「もののふの道」に沿っていますよね。

こちらの例文も現代文風なので、類語の侍に言い換えても大丈夫でしょう。

次の例文でも使い方に注目してみましょう。

・もののふの考え方は、現代にも通ずるものがある。

意味は「武士の考え方は現代にも通じるものがある」とうことです。

武士の考え方というのは、いわゆる「もののふの道」のことですよね。

忠誠や名誉を守らなければいけないということですが、確かに武士としてというより、人として守らないといけないことでもあります。

ということで、現代の教えにも通じているということでしょう。

こちらも文章自体は現代文なので類語に言い換えても使い方としては問題はありません。

あい
ただ、「もののふ」自体は古語なので、古今和歌集のような古文に使われている場合があります。
そのような際は類語は意味の説明には使えても、文章自体の言い換えには使えない場合もあるので、注意してくださいね。
例文のような現代文の場合は類語への言い換えは可能です。

「もののふ」の意味や類語は?どんな使い方をするか例文で見てみよう!

「もののふ」は「もののけ」と似たような言い方ですが、その意味は全く違います。

妖などを意味する「もののけ」に対し、「もののふ」とは武士のことを意味しており、類語では「侍」があります。

ただ、元々「もののふ」が古語なので、使い方としては古めかしく、例文のように類語に言い換えられるものもあれば、無理に言い換えると違和感が出てしまうものもあるようです。




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