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「語るに忍びない」の意味や類語は?使い方を例文で見てみよう!

語るに忍びない

「語るに忍びない」の意味や類語は?使い方を例文で見てみよう!

「語るに忍びない」というのは山月記に出てくる言い回しですよね。

「忍びない」というと、「申し訳ない」という意味に思われがちですが、実は違うようです。

あい
そこで「語るに忍びない」の意味や類語、使い方を例文と合わせてみていきましょう。

「語るに忍びない」の意味や類語は?

語るに忍びないの意味

まずは「語るに忍びない」の意味から見ていきましょう。

読み方としては「かたるにしのびない」と読みます。

「語る」というのは「話す」という意味です。

そして「忍びない」というのは「申し訳ない」という意味に思われがちですが、実は違います。

「忍びない」というのは「忍ぶ」の否定形です。

「忍ぶ」というのは「我慢する、耐える、堪える」という意味です。

つまり、「忍びない」というのは「我慢できない、耐えられない、堪えられない」という意味なのです。

つまり、「語るに忍びない」というのは、「言葉にするには耐えられないほど」ということから、「口にするのも辛い」、「非常に恥ずかしい」という意味になるのです。

そんな「語るに忍びない」の使い方を例文で挙げてみると、

・語るに忍びないのですが、実は昨日、風呂場で転んでしまい、腰を痛めてしまいました。

意味は「非常に恥ずかしいのですが、実は昨日風呂場で腰を痛めてしまいました」ということです。

ではどうして「忍びない」が「申し訳ない」に思われがちなのかというと、確かに「忍びない」には謝罪としての意味もあります。

ただ、この「忍びない」を使うのはこれから起こるであろうことに対する謝罪に関してです。

そんな謝罪の「忍びない」の使い方を例文に挙げてみると、

・大変忍びないのですが、これでは納期に間に合いそうにありません。

意味は「大変申し訳ないのですが、これでは納期に間に合いません」ということです。

このように「忍びない」には「申し訳ない」という意味もありますが、「語るに忍びない」で使う「忍びない」の場合は「我慢できない」という意味なので、間違えないようにしてくださいね。

では、そんな「語るに忍びない」に類語はあるのでしょうか。

類語を挙げるとするなら、意味合い的に「言いづらい」、「非常に恥ずかしい」ということになります。

前述の例文で類語に言い換えた使い方を見てみると、

・言いづらいのですが、実は昨日、風呂場で転んでしまい、腰を痛めてしまいました。

となります。

類語に変えても意味合い的に問題なさそうですね。

むしろ「語るに忍びない」という言い方が古臭いので、わかりやすくなりましたね。

では次に「語るに忍びない」の使い方を見てみましょう。

一般的には言いづらいことをいう時に口にします。

そのため使い方としては例文のように「語るに忍びないのですが?」というのが多いでしょう。

他にも「~するのは語るに忍びない」という使い方もできます。

あい
このように「語るに忍びない」というのは「口にするのも辛い」、「非常に恥ずかしい」という意味で、類語としては「言いづらい」が当てはまります。
そして使い方としては例文のように冒頭につける形が多いようです。
ちょっと古い言い方になるので、もしかしたら若い人に使うと通じないかもしれません。

「語るに忍びない」の使い方を例文で見てみよう!

語るに忍びないの使い方

では、「語るに忍びない」の意味や類語、使い方がわかったところで、有名な「山月記」での意味についてみてみましょう。

「山月記」はある男が虎になってしまった経緯を話すお話です。

あらすじをざっと紹介すると、秀才だった男は自分の仕事に満足できず、欲を書いて詩人になろうと仕事をやめます。

でも詩人にはなれず、復職した時には同僚は出世していました。

つまり自分は自尊心だけが大きかったことに気づいたのです。

その羞恥心から虎になってしまい、今では他の動物を食べて何とか生きているということを、語るのです。

そして虎となってしまった男はこの経緯を語るのを「語るに忍びない」というのです。

確かに過大な自尊心から失敗して、さらに羞恥心から虎になってしまっただなんて恥ずかしいですよね。

つまり、山月記の言い回しを類語に言い換えるなら「口にするのも辛い」といったところでしょうか。

このように、「語るに忍びない」というのは、なるべく人には言いたくないほど恥ずかしいという意味でもあるのです。

ではそんな「語るに忍びない」の使い方を他の例文で見てみましょう。

・語るに忍びないのですが、実は家庭の事情を抱えていまして

例文の意味は「非常に恥ずかしいのですが、実は家庭の事情を抱えていまして」となります。

確かに家庭の事情って色々ありますよね。でも仕事などで迷惑をかけてしまった場合などは、正直に話すしかありません。

そんな時にまさにぴったりな使い方ですね。

類語として言い換えるなら「非常に恥ずかしい」が当てはまりますね。

他の例文でも使い方を見てみましょう。

・語るに忍びないのですが、実は従業員が突然やめてしまいまして、来月の納品が遅れそうです。

この例文の意味は「言いづらいのですが、実は従業員が突然辞めたため来月の納期が遅れそうです」ということですね。

これは類語に言い換えるなら「言いづらい」でもいいでしょうし、会社のことなので「非常に恥ずかしい」という類語にしても良さそうです。

あい
これらの例文に挙げたように「語るに忍びない」の使い方としては、やはり冒頭に入れるスタイルが多いようです。
言い換えも可能なので、聞き手にとって意味がわかりづらいかなと思うようであれば、類語の方を使った方がいいかもしれませんね。

「語るに忍びない」の意味や類語は?使い方を例文で見てみよう!まとめ

「語るに忍びない」というのは「口にするのも辛い」、「非常に恥ずかしい」という意味で使われる言い回しです。

「忍びない」という言い方に「申し訳ない」という意味がありますが、この場合の「忍びない」というのは「我慢できない、耐えられない」という意味合いなので、間違えないようにしてくださいね。
また、使い方としては例文に挙げたように冒頭につくことが多いようです。

ただ、ちょっと古い言い方になるので、周りが若い人ばかりであれば類語に言い換えた方がいいかもしれません。




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