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「たらしめる」の意味や類語は?使い方を例文でご紹介!

たらしめる

「たらしめる」の意味や類語は?使い方を例文でご紹介!

「たらしめる」は「それが彼を彼とたらしめる所以だ」という使い方をしますよね。

でも、この「たらしめる」とは具体的にどのような意味なのでしょうか。

なんとなくイメージはできても、聞かれるときちんと答えられなかったりします。

あい
そこで、「たらしめる」の意味や類語、使い方を例文とあわせて見てみましょう。

「たらしめる」の意味や類語は?

たらしめるの意味

まずは「たらしめる」の言葉自体の作りを見てみましょう。

「たらしめる」とは「たら」と「しめる」という二つの言葉が合わさった言葉です。

「たら」というのは助動詞「たり」の未然形で、断定の意味で使われます。

つまり意味としては「~だ」、「~である」ということです。

そして「しめる」というのは使役を表す「しむ」の連体形で、「~させる」という意味です。

つまり、この二つが合わさった「たらしめる」というのは、「~させる、そのようにさせる」という意味合いで使われます。

使い方としては「~を~たらしめる」という使い方をします。

例文でそんな使い方を挙げると、

・イチローをイチローたらしめるのは、ストイックなトレーニングです。

というふうになります。

意味は「イチローをイチローとさせているのはストイックなトレーニングです」ということです。

イチローといえば有能な野球選手ですよね。

なぜ、彼が有能とまで言われるのかというと、彼が子供の頃からストイックなトレーニングをし続けているからです。

だからこそ、イチローは他の選手とは違う選手でいられるという意味です。

そんな「たらしめる」に類語はあるのでしょうか。

似たような意味合いで使える類語がひとつあります。

それは「ならしめる」です。

ただ、「ならしめる」の場合は使い方が「たらしめる」とちょっと違います。

では、どのように使い方が違うのか見てみましょう。

まずは「ならしめる」の言葉の作りから見てみましょう。

「なら」というのは「なり」の未然形で、「しめる」というのは「たらしめる」の「しめる」と同様に使役の「~させる」という意味があります。

つまり、意味としては「そうさせる」ということになります。

意味だけみると、「たらしめる」と同じように感じますよね。

ただ、使い方が違います。

「たらしめる」の場合は「~の状態ある」ということについて「そうさせる」という意味合いで使われます。

一方、「ならしめる」の場合は動作について、「そうさせる」という意味で使われるのです。

そんな類語「ならしめる」の使い方を例文で挙げてみましょう。

・彼の勤勉さが、優れた業績を可能ならしめているのだ。

意味は「彼の勤勉さが優れた業績を可能とさせているのだ」ということです。

このように、類語とはいえ「ならしめる」は例文のように動作に対して使うので、同じ文章での言い換えはできないでしょう。

また、同様の使い方をする言葉として「言わしめる」、「知らしめる」もあります。

「言わしめる」というのは「~と言わせる」という意味です。

使い方を例文で挙げると、

・彼は柔道の有段者に強敵と言わしめるほど、格闘技のセンスに優れている。

意味は「彼は柔道の有段者に強敵と言わせるほど、格闘技のセンスに優れている」ということです。

そしてもう一つの「知らしめる」というのは「認知させる」という意味合いで使われます。

そんな言葉の使い方を例文で挙げると、

・この事実を世間に知らしめることが、今回の会見の目的だ。

意味は「この事実を世間に認知させることが、今回の会見の目的だ」ということです。

あい
このように「たらしめる」というのは「ある状態でいさせる」という意味合いで使われる言葉で、似たような意味の類語には使い方こそ違うものの「ならしめる」という言葉があります。
同様の使役を使った言葉もあるので、一緒に覚えておくといいでしょう。

「たらしめる」の使い方を例文でご紹介!

たらしめるの使い方

では、「たらしめる」の意味や類語がわかったところで、使い方について詳しく例文で見ていきましょう。

まずはひとつ目の例文で使い方を見てみましょう。

・我が社を業界トップたらしめているのは、社長の並々ならぬ熱意とセンスだ。

意味は「我が社を業界のトップにさせている理由は社長の熱意とセンスだ」ということです。

トップという状態であることにさせている理由を述べているんですね。

これはやはり「~である」という状態にさせる使役ということで「たらしめる」が使われているんですね。

動作ではないので、類語の「ならしめる」は使えませんね。

ただ、使い方をちょっと変えると言い換えもできます。

・我が社の業界トップを可能ならしめているのは、社長の熱意とセンスだ。

とできます。

意味はちょっと変わって「我が社の業界トップを可能とさせているのは社長の熱意とセンスだ」ということです。

では、次の例文でも使い方を見てみましょう。

・日々の積み重ねが彼を一流たらしめた所以だろう。

意味は「日々の積み重ねが彼を一流とさせた理由だろう」ということです。

この例文にあるように、「~たらしめる所以」という使い方はよく聞きますよね。

意味は「そのようにさせる理由」ということです。

例文の意味でいうと、彼は積み重ねがあったからこそ一流になれたということですね。

もし類語の「ならしめる」に言い換えるなら、

・日々の積み重ねが彼の一流入りを可能ならしめた所以だろう。

となります。

意味は「日々の積み重ねが彼の一流入りを可能とさせた理由だろう」ということです。

ただ、もともと「たらしめる所以」という言い方が既にあるので、無理に類語に言い換える必要はないかもしれませんね。

次の例文でも使い方を見てみましょう。

・ジャズをジャズたらしめる要素とはなんだろう。

意味は「ジャズをジャズとさせているのはなんだろう」ということですね。

ジャズの定義に関してなんだろうと問いかけるような文になっています。

この例文には類語の「ならしめる」は当てはめられませんね。

あい
このように「たらしめる」の使い方としては「~を~たらしめる」、「たらしめる所以」というのが多いようです。
類語の「ならしめる」に言い換えられる場合もありますが、使い方が違うため、例文のように若干意味合いも変わってくるようです。

「たらしめる」の意味や類語は?使い方を例文でご紹介!まとめ

「たらしめる」というのは「そうさせる」という意味合いで使われる表現方法で、使い方としては「~を~たらしめる」と使います。

「たらしめる所以」という使い方も多く、文学的でかっこいい文章になります。

そんな「たらしめる」には使い方こそ違うものの、同様の意味の類語「ならしめる」もあります。

例文のように言い換える際にはちょっと変えなければいけない場合があったり、そもそも言い換えができない文もあります。

ただ、よく聞くフレーズなので、きちんとした意味や使い方は覚えておいた方がいいでしょう。




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