「氷山の一角」の意味や類語は?使い方を例文でご紹介!
「氷山の一角」というのは映画や小説のセリフでも良く使われる言葉ですよね。
でもその意味は聞かれると、正確に答えられなかったりします。
では、正しい意味や類語は何なのでしょう?
「氷山の一角」の意味や類語は?
まずは「氷山の一角」の読み方から見ていきましょう。
読み方は「ひょうざんのいっかく」と読みます。
意味についてみていくと、「氷山」というのは海に浮かぶ大きな氷の塊を表しています。
そして氷山というのは海面から見えるのはほんの一部だけで、その大きさは海中に隠れている部分の7分の1と言われています。
つまり、大部分が隠れているということです。
そして「一角」というのは片隅、一部分ということで、「氷山の一角」の全体的な意味は「目に見えているのは全体像のわずか一部である」、「表に出ていることだけが全てではない」、「明るみになった問題はごく一部」という意味になります。
そしてこの言葉の使い方としては、良い意味合いで使うことはありません。
悪いことを指す場合にのみ使います。
使い方を例文で挙げてみると
・今回のシステムエラーは氷山の一角だと思われるので、全体のシステムチェックをした方がいいでしょう。
意味は「今回のシステムエラーは全体のほんの一部だと思われるので、全体のシステムチェックをした方がいいでしょう」とうことです。
エラーは他にもまだまだありそうということですね。
他の例文でも使い方を見てみましょう。
・あの議員の汚職事件で明らかになっているのは、まだまだ氷山の一角らしいよ。
意味は「あの議員の汚職事件で明らかになっているのは、まだまだ全体の一部らしいよ」ということです。
つまり、まだ明らかになっていない犯罪がたくさんあるということですね。
このように「氷山の一角」の使い方はネガティブな内容を表す際に使われるのが一般的です。
逆にいうと良い意味合いで使われることはありません。
間違った使い方を例文に挙げてみましょう。
・彼が計算に優れているというのは、まだまだ彼の才能の氷山の一角だ。
と、使うのは不適切になるのです。
あくまでも使い方としては何らかの犯罪や良くないことを表す際に使うのが正しいのです。
では、そんな「氷山の一角」に似たような意味を持つ類語はあるのでしょうか。
実は同様の意味を持つ類語がいくつかあるのでご紹介します。
その類語の一つ目は「片鱗」です。
片鱗とは「ほんの一部」という意味で、確かに「氷山の一角」と似たような意味合いですね。
使い方としては「片鱗を示す」、「片鱗を見せる」といった使い方をします。
そんな使い方を例文に挙げると
・今回の個展では彼の才能の片鱗が見えたよ。
意味は「今回の個展では彼の才能の一部が見えたよ」ということです。
ただ、「片鱗」の使い方は意味合いこそ「氷山の一角」と似ているものの、使い方が違います。
というのも、例文でもわかるように「片鱗」というのはポジティブな意味合いで使われるからです。
「氷山の一角」というのはネガティブな意味の文章で使われるので、例文などでお互いを言い換えることはできないのです。
つまり、使うシーンは違うので、使い方には気をつけないといけません。
二つ目の類語は「千重の一重」です。
読み方は「ちえのひとえ」と読みます。
意味は「多くのうちのごく一部」ということです。
まさに「氷山の一角」と同様の意味ですね。
そしてこの言葉はいい意味合いでも悪い意味合いでも使えます。
その点が「氷山の一角」との違いです。
使い方を例文に挙げてみましょう。
・本日A社で不正が発覚した。しかし、これは千重の一重だろう。
意味は「本日A社で不正が発覚した。しかしこれは多くの不正のごく一部だろう」ということです。
これなら「氷山の一角」と入れ替えても大丈夫そうですね。
三つ目の類語は「木を見て森を見ず」です。
意味は「小さいことに気を取られて全体を見通せない」ということで、「氷山の一角」とはちょっとニュアンスが違います。
使い方を例文に挙げると
・A社の人間が逮捕されたが、社員の不正だと考えるのは木を見て森を見ずかもしれない。
意味は「A社の人間が逮捕されたが、社員の不正だと考えるのは全体を見通せていないのかもしれない」ということです。
これは「氷山の一角」と言い換えられる場合とそうでない場合があるようなので、文章全体の意味をきちんと確認したほうがいいでしょう。
似たような意味の類語もありますが、「氷山の一角」とは違ってポジティブな意味の時にしか使えない言葉もあるので、言い換える際は注意してくださいね。
「氷山の一角」の使い方を例文でご紹介!
では「氷山の一角」の意味や類語がわかったところで、使い方を例文で見てみましょう。
・A国とB国が領土問題で対立しているが、このような領土問題をめぐる国家間の対立は氷山の一角だ。
意味は「A国とB国が領土問題で対立しているが、このような国家間の対立で明らかになっているのはわずか一部だ」ということです。
つまり対立している国は実際にはもっとあるということですね。
もし類語で言い換えるなら「千重の一重」が当てはまりますね
次の例文でも使い方を見てみましょう。
・全体の状況把握はまだだが、被害者数の数はまだ氷山の一角だろう。
意味は「全体n状況把握はまだだが、被害者の数は明らかになっているのはまだ一部だろう」ということです。
もっと被害者がいるはずだという意味ですね。
こちらも類語で言い換えるなら「千重の一重」が当てはまりそうです。
次の例文でも使い方を見てみましょう。
・公開された感染者数はおそらく氷山の一角だろう。
意味は「公開された感染者数はおそらくわずか一部だろう」ということです。
明らかになっていない感染者数はまだまだたくさんいるということです。
こちらも類語で言い換えるなら「千重の一重」が当てはまるでしょう。
次の例文でも使い方を見てみましょう。
・今回の失敗は氷山の一角と捉え、2度と繰り返さないように全体を見直そう。
意味は「今回の失敗は多くあるうちのごく一部と捉え、2度と繰り返さないように全体を見直そう」ということです。
こちらは類語の「木を見て森を見ず」にも言い換えられそうですね。
ちょっとニュアンスは異なりますが、
・今回の失敗が木を見て森を見ずとならないように、2度と繰り返さないように全体を見直そう。
と、できます。
そして言い換えられる類語としては「千重の一重」が1番使いやすいようです。
「氷山の一角」の意味や類語は?使い方を例文でご紹介!まとめ
「氷山の一角」というのは「目に見えているのはわずか一部」という意味で、使い方としてはネガティブな意味合いで使います。
似たような意味の類語はあるものの、「氷山の一角」とは逆にポジティブな意味合いにしか使えないものもあるので、例文などで言い換える際には気をつけるようにしてください。
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